【マニュアル整備】忙しい中で何から作るか

「マニュアルが無いから専門職として必要な知識を習得できない」

「マニュアルが無いから効率的なやり方がわからない」

とか言う人を観測します。

誰かが作ってくれるものではなく、みんなで作るものだということを理解しておきたいものです。

組織として実力を底上げしていくためには、マニュアルや規程類の整備は必要です。

ただし多くの会社において

自職場のマニュアルは、その「職場の誰か」が「他の業務もこなしながら作成」する必要があります。

そして多くの組織において

  1. マニュアル作成できる人
  2. マニュアル作成できない人

の2パターンの人に分かれます。

できない人とは、知識・技能をもっていても「忙しくて」できない人も含まれます。

自分の業務管理ができない人にマニュアル作成を任せても「忙しい」という愚痴や文句は出てきますが、マニュアルが出てくることは無いです。

マニュアル作成できる人は希少ですよね。

思いつくマニュアルや規程類は、基本的には「作った方が良い」ですし、大半が「必要」だったりします。

けど、作れる人は希少です。「必要」の根性論では越えられない壁があるわけで、優先順位をつける必要があります。

何から作るか

基本的には、「マニュアル作成できる人の効率化につながるもの」が優先です。

「マニュアル作成できない人(しない人)が欲しいと言っているもの」の優先順位は低いです。

こういう人たちはマニュアルが作られても活用してくれません。作ったところで、彼らは読んでくれないのです。

ということで、私の所属の場合は以下の優先順位になります。

チェックリスト

優先度:★★★★

マニュアルを作れる人ともなると、作れない人を部下にもつケースが多いと思います。

そんな部下からのアウトプット品質の底上げに有効です。また、アウトプットされてきたものに対するチェック品質キープ&効率化につながります。

項目は10~15に厳選しつつ、1項目あたりの文字数も短くすることが重要。

でないとチェック濃度が下がり形骸化します。

標準の基準

優先度:★★★☆

部品だったら強度基準とか、使いまわしのできる基準です。

知識不足の人にも「この基準を取引先に提示して進捗して」といった感じで取りあえず仕事を預けることが可能になります。

教育資料

優先度:★★☆☆

作るとしたら、新人や異動してきた人に対する、最低限スタートアップに必要な知識に絞ります。

また、あくまでも教えるための教科書として作成。自習を期待した内容にするとボリューム増えて作るの大変だし、自習もしてくれない人が多いです。

手順書

優先度:★☆☆☆

口伝した方が効率的だったりします。

使いにくい社内ソフトとか、マニュアルにしようとすると莫大ボリュームになって、結局みんな読みません。(家電とかゲームとか取説を見ない人が多いですよね)

そして2~3回やってみて、身体で覚えてしまえば済むのが実態です。

難しそうだから手を付けにくいハードルは、マニュアルがあっても解決しません。

私の所属では、まともに「マニュアル作成できる人」が、約20人の中で3人くらいしか居ません。

他の7人くらいが、指示&何度もリマインドされれば何とかできる人。

残り半数の人は、多少は手を付けるけど中途半端なところで実質放棄になる人だったりします。

これまでの実績から、年に5件程度がまともに出せるマニュアルや規程類の数になります。

これを踏まえて何のマニュアルから整備するか、優先順位を考える必要があるわけです。

ということで、「今年こそ20件やりきるんだ!」と言っている隣の係長に尊重したフリしながら、そっと仕分けをしていきます。

全員が1人1件ずつというのは、たぶん無理なのです。

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